仕事で絵を描くということ
これはまだ姫路旅行に行く前のことだったんだけど。
私が趣味で絵を描く人間だということは、勤め先の人も知っている。
ただ、自サイトやpixivにどんな絵をアップしてるかは知らない(はず)。
ここ数年、会社からお客さんに出す年賀状の図案は私が担当してるから、こういうのとかこういうのは見てもらったこともあるけど。
それが、営業さんの一人が広告の仕事をもらってきて、そこに使うイラストを描いてくれといってきた。
これが困った。
一口にイラストといっても
「雰囲気が合ってればオッケーな絵」
と
「情報を正確に伝える、解説的な絵」
とがあると思う。
前者なら頑張れば何とかならないこともないと思うけど、後者になるとぜんぜん自信がない。
そういう解説的な絵となると、たとえばバイクの絵を描いたとして、スポークの数が一本間違っててもNGになるものだと聞いてるし。
今回の場合、お客さんが指示してきたのは
「大正時代の日本には、こんな乗り物が走ってた」
みたいな絵で、そのための簡単な資料(どこかの本からコピーしたような)も渡された。
自信がない、と答えたんだけど、営業さんは「とにかくやってみてくれ」とだけ言う。
プロのイラストレーターさんに頼むとお金がかかるから、社内の人間にやらせて済めばもうけもの、駄目だったら、またそのとき考えればいい……くらいに考えてたらしい。
また、最近ウチの会社は忙しいときと暇なときの落差が激しいんだけど、そのときはたまたま仕事が少なかったんで、手が空いてないと断ることもできなかった。
そもそも、お客さんが望んでるのが「雰囲気ものの絵」なのか「解説的な絵」なのか、その営業さんもよく判ってなかったようだ。
ただ「絵の描ける人間」にまかせれば、なんとかなると。
●
ちょっと話がそれるけど、つねづね考えてること。
どうも
「あることが、まったくできない人間」
は
「上手い下手の程度の違いあっても、とりあえず、それができる人間」
のことを、魔法使いかなんかのように考える傾向があるんじゃないだろうか。
以前、尊敬してる絵師さんが描いた美人絵の解説文に
「小物には3DCGソフトを使いました」
とあったのを見て
「すげ~。こういうのができる人って、根本的に頭のデキが違うんだろ~な~」
とか思ってしまったもんだ。
当時の私は3DCGのことはまったく判らなかったんで。
それが六角superに手を出すようになって、慣れてしまえば洋酒のビンとかコーヒーカップくらいならわりと簡単に作れてしまうことが判ってきた。
人体みたいに微妙なラインを持つものとか、実在するメカを正確に作るとかになると、また話が違ってくるんだけど。
そういうわけで3DCGというものが少し判ってきた今でも、プロのCG作家さんが作るような作品については
「ああいうのは高価なソフトを使ってるんだし、それを習得するのも大変なんだろうけど、できる人はどんなものでもホイホイ作れちゃうんだろうな」
と考えてしまう自分がいたりする。
●
で、話を戻して。
「解説的な絵」だとしたら、私程度の画力じゃボツになるのは目に見えてるんだけど、やれと言われたなら仕方ない。
支給された資料を見ながら、なんとか仕上げた。
それが、お客さんに提出したところ
「ここのパンタグラフの形が現物と違うから、修正してください」
という指示がきた。
それ以外に「ここが違う、ここも違う」ということがなかったところをみると、意外と「雰囲気さえあればオッケー」な使われ方をする絵だったのかも。
その後だいぶ経つんだけど、
「あの絵、結局ボツになって、プロのイラストレーターに頼むことになった」
って話は出ないから、採用されたっぽい。
いや、ボツになったんだけど、わたしには言わないだけだろうか。
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コメント
結末が気に成りますね(^^;
自分の写真とか加工品なら社用で使ってますが、イラストと言うのは流石に出した事は無いですし。
頼む方の心情も夫々でしょうが、受ける身と成ると色々考えちゃいますよね。
それだけ出来る事が有るとも言えるかもですので、やっぱ絵心の無い人から見れば魔法使いかもしんないですよ(^^;
投稿: ひで(英) | 2009年10月11日 (日) 17時13分
パスしたにしろボツになったにしろ、営業さんからの報告がないんですよね。
まぁ、営業も人員不足でイッパイイッパイな状態ですから、そこまで気が回らないんでしょうけど。
今回たまたまオッケーになったとしても、また別の用事で
「これは、さすがに描けない」
ってネタが来ないか心配だったりします。
自分に出来ないことが出来る人を「魔法使い」と思っちゃうのは、人のことは言えないかもしれません。
自宅でも会社でも、機械が不調で自分では解決できないとき
「業者の人に診てもらえば何とかなる」
と考えちゃいますからね。
投稿: 2のワンペア | 2009年10月11日 (日) 21時41分
お疲れ様でした。
仕事で描くのと、趣味で描くのはプレッシャーのかかり方が違います。実は私の描いた絵が某雑誌に,,,,,爆。
投稿: soldatin | 2009年10月11日 (日) 22時27分
某雑誌に……?
なんか、気になりますぅ。
趣味で描く絵は、思いついたまんまに描き進め、煮詰まったら放置しておいて、自分でも冷めた目で見直せるようになるまで置いておく……って私なんですけど。
「何を描け」
「いつまでに描け」
があるってのは、やっぱ全然違いますね。
投稿: 2のワンペア | 2009年10月12日 (月) 14時04分